PCB汚泥盛立地(兵庫県高砂市)
兵庫県高砂市の通称高砂西港の北側に位置する(株)カネカ高砂工業所と三菱製紙(株)高砂工場の敷地内に、広さ約5ヘクタール、高さ約5メートルのアスファルトで覆われた人工の巨大な丘がある。
この盛立地は、昭和40年代後半、高砂西港の底質土砂が PCB で汚染されていることが明らかになった際、これらを浚渫し、固化処理後、このような形に造成したものである。
PCB(Poly Chlorinated Biphenyl)はポリ塩化ビフェニルのことで、毒性はあるものの熱安定性、電気絶縁性、耐薬品性にすぐれ、加熱や冷却のための熱媒体、電気機器の絶縁油、可塑剤等広く産業用途(夢の物質)として利用された。
しかし、1968 年(昭和 43 年)に起こったカネミ油症事件の原因物質となり、これをきっかけに 1975 年製造、輸入が原則禁止となった。けれどもカネミ油症被害者の苦しみは今も続き、本人のみならず、その子供や孫にまで被害が及んでいる。
撮影:宮崎隆介(JRMN 会員)