何でも禁止でなく

何でも禁止でなく(郡上八幡・吉田川新橋からの飛込み)

先日郡上八幡を旅した。郡上踊りで有名だが、「水」が生活と身近に結びつき、またこどもの通過儀礼として橋から川に飛び込む風習があることに興味を持っていた。
写真は落差約12メートルある新橋の欄干に表示されていた〈警告〉である。
この橋の上流側に落差の小さい(数メートル)学校橋〈通称・正式には八幡橋〉があり、訪れた日には橋ではなく、川岸の岩場(落差3、4メートル位か)から子供たちが放課後の遊びがてら飛び込んでいた。
最近は危ないものは何でもすぐに〈禁止〉してしまう風潮であるが、珍しくここでは〈警告〉となっていた。子供といっても小学生、中学生、高校生と成長とともに飛び込む高さを大きくしていき、年長者の見守りもありながら、通過儀礼に挑戦してきたことだろう。
他所から興味に駆られて訪れ、準備もなく(心がまえも含めて)飛び込みに挑戦する大人向けの警告であろう。地元の子供たちには禁止するのでなく、年長者を見習いつつ段々に慣れながら挑戦し、成長しようとする心意気を信頼する大人の想いが込められていると感じた。最近になくさわやかな気持ちになった。

撮影:宮崎隆介(JRMN 会員)