都市河川への雨天時排水吐口

都市河川への雨天時排水吐口(下水道)

 梅雨の候、合流式下水道から川への排水(放流)が増える時期になる。合流式で早くから下水道整備の進んだ日本の大都市共通の景色で、未処理下水が混じる弱点があり、現在は鋭意改善工事が行われている。合流式というシステムもコストと整備速度等との比較(一種のリスクトレードオフ)から採用されたけれど、下水道整備(水洗化)が進み、大都市ではほぼ100%の普及に達した現在、水質汚濁防止の観点から弱点が無視できなくなり、改善工事が予算化されている。受容されたリスクも時代や状況が変われば受け入れがたくなり、対応を迫られるものである。ちなみに下水道整備が後発の市町村ではほとんどが分流式(雨水管と汚水管が別)で整備されており、理論的に未処理汚水が川などに出ることはない。

撮影:宮崎隆介(JRMN 会員)