バイクとリスク感性
バイク(オートバイ)は車と違ってむき出しで走ることから、景色や温度・匂い、そして危険をもより敏感に感じ取れる。もし判断ミス・操作ミスをしたり、おかしな事故に巻き込まれたりしたら、大けがをすることになる。その意味ではリスクの高い乗物かもしれない。しかし、そのような特徴を理解した上で、全神経を安全確保(=毎回無事帰宅)のために集中させて運転すること(そしてそれを無意識のうちにできるようになること)は、「リスク感性」を高めるトレーニングとして極めて有効であるように思われる。
しかし何より、日常から離れ、たまに長い距離を愛車と旅し、美しい風景の中や自分好みの道路を快適なペースで走っていると、仕事の忙しさや社会生活のストレスによって知らず知らずのうちに狂いを生じた自分の感性が正常に引き戻され、人や自然に対する敬愛の気持ち、普段とは違うやさしい感情が自然と湧きあがってくるのを感じることがある。そんな瞬間もバイクライフの大きな魅力のひとつとなっている。(写真は愛車 K1200RS。ツーリングを兼ねて鹿児島の大学に向かう途中に撮ったスナップの 1 枚。)
撮影:東 泰好(JRMN 会員)