直接飲める琵琶湖水(北比良湖岸)
京阪神地区の住民の飲み水となっている近畿の水がめ〈琵琶湖〉の湖水は、多くのところで大腸菌が検出されず、特に北湖西岸部では直接飲めるという。写真の透明度をみればむべなるかなである。このコップの水も嘉田さん自身飲まれたそうである。このあたりでは生活汚水が直接流れ込まないようにしていて、砂浜での浄化や沖合からの湧水供給などあいまって清浄に保たれている。今では想像もできないが明治時代の初めころまで上水道がまだなかった時分には淀川の水も住民の飲料水として売られていた。
人間の生活の影響次第で水環境の清浄度は左右される。今では汚れた水は下水処理されて排水されるが、処理程度には限界がある。飲める水にまでできる 超高度処理技術はあるがコストを考えると現実的ではない。汚れた水を流さないのが究極の水との付き合い方ではないだろうか。都会の便利さとこんなきれいな水辺とのトレードオフならどっちにしようか?
【参考】
「近い水」から「遠い水」への社会変化から、次世代型の「近い水」へ
~研究者40年・知事8年の経験から~
嘉田由紀子(びわこ成蹊スポーツ大学・学長、前・滋賀県知事。いずれも当時)
(2016 年 11 月 14 日 講演会「水環境と市民」発表)
写真提供:嘉田由紀子(前滋賀県知事)
文:宮崎隆介(JRMN 会員)