重粒子線がん治療の研究開発と臨床応用

重粒子線がん治療の研究開発と臨床応用(放射線医学総合研究所)

先日所用で訪れた放射線医学総合研究所の本部棟ロビーの案内模型。がん治療の様々な方法の中の放射線利用分野で最先端技術として開発された重粒子線治療。アメリカで 1970 年代に臨床応用が始まったのを受けて、日本で 1984 年に、ここ放射線医学総合研究所で重粒子線治療装置を建設する計画がスタートし、1994 年から臨床試行が始まったという。2009年時点で 5100 件以上、世界の 9 割を占めているという。
原子物理学の応用による身体的負担の少ない治療法である。先進医療に認定されているが、健康保険の対象外であり、高額の自己負担が残念である。
現在、日本ではここ以外に、兵庫県の播磨研究学園都市にある兵庫県立粒子線医療センターと群馬大学の 3 か所で治療が行われている。
治療と核爆弾は明と暗であるが、原子力発電はグレーゾーンというべきか。

撮影:宮崎隆介(JRMN 会員)