沢登り

沢登り

夏の山登りの醍醐味、沢登りの 1 場面。地下足袋に草鞋をはく独特のスタイルでザイルの用意もする。涼を呼び、飲み水の心配はなく、暑さが嵩じれば水浴びもできる。下流から、中流、源流と姿を変え、滝や瀞、ひっそり咲いて目を楽しませる花など彩りも添える。沢筋の地形の変化に応じて基本は水際にルートを取り、時に流れに身を浸し、登れそうな滝は直登し、登れそうもない落差のある滝の場合は谷筋を遠く迂回して(捲き道)滝の上に出て沢に戻る。水の流れが細くなり、ついには流が切れてしまう最後は道のないところを藪漕ぎと称する苦行(?)が待ち構えることもあるが、尾根道や、時には直接頂上に飛び出した時の爽快感は、尾根道の登山とは一味違う山の楽しみである。誰でも出来るというわけではないが、初心者でもトレーニングをし、経験者が同行すれば十分楽しめる。道〈登山道〉のないところを行くのであるからいろいろな危険が無くはないが、集中力を持続して、そうした危険を乗り越えていく緊張感もまた楽しい。

撮影:宮崎隆介(JRMN 会員)