輪ぬけ祭(播磨国総社《姫路市》におけるお祓いの行事)
人(自分や身近な係累)に降りかかる災厄を振り払おうとするのはごく自然な気持ちだろう。人は社寺の意義をそこに見出している。この神社では、祭神の父神スサノヲノミコトが茅(かや)で作った輪を身につけている者を疫病、災難から守ったという故事に倣い、
飾りとして「茅の輪(ちのわ)」を授与している(¥2,000)。元旦から半年の間の罪、穢れを祓う神事(6 月 30 日)に当たり、写真のような特大の茅の輪を設けて参拝者に三度くぐったのちに本殿参拝をするよう作法を定め、「輪ぬけ祭」と称している。人が生きていく限り災厄(リスク)は免れない。こうした宗教的行為をする、しないに関係せずリスクを受け止める覚悟は当然のものだろう。
撮影:宮崎隆介(JRMN 会員)