原爆死没者慰霊碑の奥に見える原爆ドーム

原爆死没者慰霊碑の奥に見える原爆ドーム(広島平和記念公園)

高校の修学旅行以来だから 55 年ぶりの平和記念資料館再訪である。平日にもかかわらず多くの老若男女、外国からの旅行者や修学旅行の生徒も熱心に見学していた。本館は改修工事に入り、新装なった東館の見学になった。
もう 1 年を過ぎたが、昨年の G7 サミット(伊勢志摩)後に実現したオバマ大統領の広島訪問時の慰霊碑前の演説をテレビ生中継で一部始終見ていたのが思い出された。予想外に長い演説で、訥々とした口調が記憶に残っている。資料館では大統領手ずからの折り鶴一羽が展示されていた。
〈武器よさらば〉の実現は、国家レベル(戦争)から民衆レベルまで社会の状況が許すまでどれだけかかるのか神のみぞ知るだけれど、民衆レベルでは我が日本の誇るべき〈豊臣秀吉の刀狩り〉に由来するといわれる銃隔離社会からアメリカの銃社会までの差がある。ふと思うのは国家レベルでの〈刀狩り〉ともいうべきなのが日本国憲法の〈戦争放棄〉ではないだろうか。アメリカから強制されたものだから自らに取り戻すべきだという〈再軍備〉派もいるけれど自らの意志で〈戦争放棄〉を受け入れる派もいて、現状では多数派のように思われる。もちろん〈自衛の権利〉という微妙な問題は残るけれど。8 月の暑い季節を迎えていずれにしても〈原爆の日〉と〈終戦記念日〉はいつまでも私たちが〈平和〉を考え続ける駆動力になってくれるだろう。

撮影:宮崎隆介(JRMN 会員)